もしも毎日の飲み物で肌ケアができたら…今回はそんなリクエストに栄養士の神原李奈先生が答えてくれました。



もくじ
◎肌に良い飲み物ベスト5
1. 無糖タイプの飲むヨーグルト
ヨーグルトに含まれる乳酸菌は腸内環境を改善します。その結果、便秘が解消され、栄養素の吸収がよくなることで、美肌作りにつながります。
肌に良い影響を与える栄養素がしっかり吸収できるようになると、肌細胞も健康になり、肌トラブルを起こしにくくなります。
また、ヨーグルトにはたんぱく質も含まれています。たんぱく質は肌細胞の材料となりますので、たんぱく質を摂ることで、肌の健康を保ち、肌荒れの防止につながります。
食物繊維とオリゴ糖は、乳酸菌の増殖を助けます。
フルーツやオリゴ糖を加え、オリジナルのヨーグルトドリンクを作って飲むと良いでしょう。

2. 無塩トマトジュース
トマトには強い抗酸化作用のあるリコピンが含まれています。肌細胞の酸化を防ぎ、肌細胞を健康に保つことで、乾燥肌対策になります。
カゴメ株式会社の研究では、朝8時・昼12時・夜18時にトマトジュースを摂取した場合、朝8時に摂取した時の血中リコピン濃度が高いという結果が出ています。
そのため、タイミングとしては、朝に飲むのがおすすめです。さらにリコピンは油脂と一緒に摂ることで吸収が良くなります。オリーブオイルやアマニ油などを数滴垂らして飲むと効率よく吸収できます。

3. プロテイン
プロテインには、その名の通り、たんぱく質が豊富に含まれています。たんぱく質は肌細胞の材料となりますので、たんぱく質を摂ることで、肌の健康を保ち、肌トラブルの予防や改善につながります。
商品によっては、抗酸化物質(ビタミンEやビタミンCなど)も含まれていますので、肌細胞の酸化を防ぐことによる、肌細胞の健康維持効果も期待できます。
美肌効果を期待するのであれば、とくに決まったタイミングはありませんが、食事でたんぱく質が十分にとれない日や忙しくて食事をとる暇がない日など、活用すると良いでしょう。

4. 食物繊維入りの青汁
脂質のとり過ぎは皮脂の分泌に影響し、肌荒れの原因となります。また、糖質の過剰摂取は、血糖値が急上昇する原因となります。血糖値の急上昇は男性ホルモンの産生や活性を促し、皮脂の分泌が増え、肌荒れの悪化につながります。
食物繊維(特に水溶性)は、糖質や脂質の吸収を抑える働きがあります。糖質や脂質の多いものを食べる前に飲むと良いです。
また、青汁には抗酸化物質(ビタミンEやビタミンCなど)も含まれていますので、肌細胞の酸化を防ぐことによる、肌細胞の健康維持効果も期待できます。


5. 麹甘酒
麹甘酒には、肌細胞の材料となるアミノ酸や、善玉菌の餌となるオリゴ糖が含まれています。健康的な肌作りや腸内環境改善による栄養素の吸収アップが期待できます。
ただし、麹甘酒にはぶどう糖が含まれるため、大量に飲んだり、空腹時に飲んだりすると、血糖値を急激に上げてしまうリスクがあります。
飲む際は食後にし、その際食事ではごはんや麺などの炭水化物を減らし、糖質の過剰摂取にならないようにしましょう。


※どれも肌に良いからと飲みすぎるのはNGです。
×肌に悪い飲み物ワースト5
1. エナジードリンク
エナジードリンクにはカフェインを多く含むものがあり、2本で1日のカフェイン摂取量の上限を超えることもあります。
カフェインを取り過ぎると、利尿作用により、体が冷えやすくなります。体が冷えると血行が悪くなり、その結果、栄養素や酸素が肌細胞に行き渡りにくくなります。
また、覚醒作用により夜の睡眠の質が低下すると、成長ホルモンがうまく分泌されず、肌荒れや乾燥の原因となります。
さらに、カフェインは、過剰摂取するとアドレナリンなどの血糖値を高めるホルモン分泌を促し、インスリンの機能を妨げる可能性があることがわかっています。
血糖値の急上昇は男性ホルモンの産生や活性を促し、皮脂の分泌が増え、肌荒れの悪化につながるため、控えたいものです。
どうしても飲みたい場合には食後に1本までにし、その際食事ではごはんや麺などの炭水化物を減らし、糖質の過剰摂取にならないようにしましょう。

2. 砂糖が添加されたフルーツジュース
フルーツジュースという響きから健康に良いイメージがあるかもしれませんが、砂糖が添加されているものは糖質が多く、血糖値の上昇に影響します。
また、体内でタンパク質と余分な糖が結びついて、タンパク質が変性、劣化してAGEs(蛋白糖化最終生成物
)という老化物質を作り出す糖化という反応があります。


そして、角層が糖化すると、結合水(水分保持能力の指標)が減少することがわかっています。
また、細胞機能低下が起こり、乾燥やくすみにつながると考えられています。
果糖は糖質の中で最もAGEsを作りやすいため、取り過ぎには注意です。
どうしても飲みたい場合には食後にコップ1杯程度にし、その際食事ではごはんや麺などの炭水化物を減らし、糖質の過剰摂取にならないようにしましょう。
3. 炭酸飲料
炭酸飲料を飲み過ぎると、鉄の吸収を阻害し、貧血を起こす可能性があります。
貧血になると、酸素が肌細胞に行き渡りにくくなり、皮膚トラブルの原因となります。また、砂糖入りの炭酸飲料は、血糖値の上昇に影響します。
どうしても飲みたい場合には食後にコップ1杯程度にし、その際食事ではごはんや麺などの炭水化物を減らし、糖質の過剰摂取にならないようにしましょう。


4. 赤ワイン
赤ワインには、鉄の吸収を阻害するタンニンが多く含まれています。また、飲み過ぎるとアルコールの利尿作用により、水分が体の外へ出され、乾燥につながります。
さらにはアルコールを分解するために、ビタミンの一種であるナイアシンが消費されます。ナイアシンは代謝に関わるビタミンですので、体内で不足すると、肌荒れの原因となります。
お酒に関しては赤ワインに限らず、週に二日は休肝日を設け、1日にグラス1杯程度にしましょう。その際、水もしっかりとってくださいね。


5. コーヒー
エナジードリンクと同様に、カフェインを含みます。
また、砂糖入りのものは、飲み過ぎると糖質の過剰摂取につながります。コーヒーミルクをたくさん加えると脂質の過剰摂取になり、皮脂分泌を促し、にきびができる可能性があります。
どうしても飲みたい場合には、ブラックコーヒーをマグカップ1杯程度、朝や昼に飲みましょう。睡眠に影響する可能性を考え、夕方以降は控えましょう。


◎肌のためにできる毎日の水分補給法

水分補給をするなら、ジュースやコーヒーなどではなく、基本的には「水」がおすすめ。
1日に1.2L程度、数回に分けてこまめにとりましょう。
小さいペットボトルやタンブラーもありますので、いつもバッグに入れて持ち歩くと良いですね。
これから寒くなってきますので、冷え性対策に白湯も良いでしょう。


<参考文献・URL>
カゴメ株式会社朝にトマトジュースを飲むと機能性成分“リコピン”が効率的に吸収されることを“ヒト試験”で確認
https://www.kagome.co.jp/library/company/news/2016/img/2016080277777.pdf
糖尿病ネットワーク 糖尿病の人に「エナジードリンク」は危険 深刻な健康リスク
https://dm-net.co.jp/calendar/2017/027548.php
愛知県薬剤師会 7.貧血(鉄欠乏性貧血)
https://www.apha.jp/medicine_room/entry-3544.html
監修者

- 栄養士/食育栄養インストラクター
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株式会社Luce・健康検定協会 所属
CA(客室乗務員)の仕事をきっかけに、健康と食の強い結びつきを実感し、食の世界に興味を持つ。大手料理教室の講師の経験を経て、栄養士を目指すことに。栄養士免許を取得後の現在は、現役CAとして世界中を飛び回りながら、栄養士として健康や食に関する情報を発信している。
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