2つめは、患者様と私がお互い納得できるところまでお話をさせていただいて、治療内容を決定することです。具体的には、最も健全な状態を100点満点として、患者様のお口のなかの問題を列挙し、1つなら40点、2つなら70点という風に、口腔内全体に視野を広げていただきます。例えば虫歯の痛みがあっていらした患者様に、その痛みをとることは患者様のお口の健康を考えると60点でしかありません、歯周病が進行中ですので今処置をしないとやがて痛みがでて再度おいでいただくことになりますから、その処置をすれば80点などとお伝えした上で、今回の治療ではどの段階を希望されますか、と患者様に確認して判断をお願いしております。ただし、初診の患者様は当然のことながら歯科医としての私を完全に信頼しているわけではないので、60点でいいとおっしゃる方もいますが、逆にいえば信頼を得ることによって100点を目指すといっていただけます。歯科治療は結果が全てであると考えていますので、痛みをとることや入れ歯の修理等で技術的に信頼を得ていくように努力しています。お互いが納得して治療をはじめると、どちらにもストレスがかかりません。
3つめの「抜かない、削らない」というポイントは、歯の構造上ご自分の生身の歯を維持することが最も理想的だからです。歯を抜く、削る後の処置として行う入れ歯やブリッジなどの義歯は、ほかの歯に影響を与えますし、インプラントも万能ではありません。ご自分の生来の歯と比べると噛む力は同等ではありませんし、何よりその後の定期的なメンテナンスが必要になります。これらのことから歯を健康に保つため予防を大切にしていくことが重要であるという結論に到ります。定期健診に是非いらしてください。