■地盤調査について

 同じように平らに見える土地でも、場所によってその地盤構造が大きく異なります。軟弱地盤なのに有効な対策のないまま家を建てると、不揃いに沈下するいわゆる「不同沈下」が起こります。また、家を新築する際には、どうしても家のデザインや構造に目を奪われ、一番大事な基礎地盤に目を向けていないのが現状です。夢にまで見た新居が傾いてしまわないために、地盤を知り、対策を立てることは非常に大切なことです。まさに、「安心なマイホームづくりは地盤から」なのです。

■ボーリング調査(標準貫入試験)

一般的なボーリング調査と呼ばれる地盤調査法は、正式にはボーリング+標準貫入試験と言い、ボーリングBoring(=地盤をくりぬくこと)によって掘削した孔を利用して、1mごとに地盤の硬さを測定する標準貫入試験を行なう調査です。通常は、土のサンプリングと同時に行なわれます。
標準貫入試験によって得られるデータをN値(エヌち)と呼び、地盤の安定性を推定する目安とすることができます。

方法を簡単に説明すると、63.5kgのハンマー(おもり)を75cmの高さから自由落下させて、サンプラーを土中に30cm貫入させるのに要する打撃回数を測定する試験で、この時の打撃回数がN値です。
スウェーデン式サウンディング試験との大きな違いは、どんなに深い層でも、硬い層でも掘り進むことができることです。

■スウェーデン式サウンディング試験

スウェーデン式サウンディング試験は費用が安く、もっとも一般的な地盤調査です。
簡単に言えば、鉄棒を地面に垂直に突き刺し、その沈み方から、地盤の固さを調べる地盤調査です。
具体的には、スクリューポイントを取り付けたロッドの頭部に25kg、50kg、75kg、100kgと順々に荷重を加えて貫入を測り、貫入が止まったらハンドルに回転を加えて地中にねじ込み、25cmねじ込むのに必要な半回転数を測定します。

測定終了後にロッドを引き抜き付着している土の状態を調べますので、ある程度の地質形状も把握できます。 正確な地盤データを収集する為に、当社では実績も豊富です。(JIS規格 A1221)
1宅地につき基本的に建築予定物外周部と中心部の5ポイント調査を実施致します。更に、現場で地盤情報がもっと必要な場合には追加ポイント調査を行ないます。

■平板載荷試験

 平板載荷試験は、基礎を設置する深さまで掘削を行い、基礎に見立てた小さな鋼板(載荷板:直径30cmの円盤)を置いて実際の建物の重量に見合う荷重をかけて沈下量を測定し、地盤が安全に支持する力を判定する試験です。比較的短時間に地盤の支持力を直接的に測定できる利点があります。

■土質試験

 物理試験は土の特性を把握するもので、主に土の分類や力学試験等の基礎データとして役立ちます。
地盤の設計において土を粘性土(粘土やシルト)・砂質土に分類することは非常に大きな意味があり、粘性土と砂質土では、その力学的性質が大きく異なるからなのです。地盤の強度と変形の関係を複雑にする大きな原因は、地盤が、土、水と空気の三種類の材料からなる複合材料であることに起因しています。
このため、地盤を構成する土がどのようなものであるか?という状態を表す指標とどのような性質の土かという性質を表す指標の両者の情報を得る必要があります。

 弊社では、粒度試験、液性・塑性限界試験、一軸圧縮試験、三軸圧縮試験、圧密試験等の各種物理・力学試験に対応しております。

■液状化検討

 地下水に浸った砂質の地盤が、強い地震動によって液体のように流動化することを「液状化」といい、液状化が起こると地盤沈下により、地下の埋蔵物が損壊したり、建物が傾斜したりします。

 液状化は、埋立地盤などの人口造成地盤や比較的最近堆積した、沖積層といった地下水位が高く緩く堆積した(土同士の粒子間が緩い)砂質地盤で起こりやすいと言えます(場合によってはシルト・礫でも発生)。つまり、これら要因を調べることで、液状化の発生リスクを確認することができます。

 液状化は、一度起こった地層でも、浅部については再び起こる可能性があるという研究成果も公表されており、一度液状化が起こった地層も再液状化の可能性があると考えた方が良いでしょう。

 ボーリング調査時に地下水位と土の締まり具合、土の構成を調べ、代表的な地層は室内土質試験にかけて詳細に調べます。この判定方法では想定される地震に対するリスク検討を行うことができるので、地震の規模(マグニチュード)と計画地でのゆれの強さを設定し、計画地の各土層毎に液状化発生がどの程度安全か検討します。そして、各土層の安全性を検証後に地盤全体の危険性を判断します。