産業医の契約方式

■嘱託産業医
産業医は、企業に常駐し設けられた業務時間内で働く医師、というイメージをお持ちかと思います。
50名以上、3000人以下の従業員を抱える企業では、原則として1人選出する必要があります。常時3001名以上業務に従事している場合は、2人の医師を選出しなければなりません。
様々な雇用形態が多様化するなか、嘱託産業医は、月または週一回などのペースで働く雇用形態です。
常に常駐するのではなく、定期的に企業に出向き従業員の健康管理や、健康相談を受けます。
必要なときに依頼することができ、専属の産業医と遜色ない業務をこなすことができるので、利便性が高いです。
嘱託産業医の雇用形態は、各方式に分かれております。ここでは、どのような方法があるかをご紹介します。

・顧問契約
医師と直接契約を結ぶのではなく、企業と紹介業者間で契約を結ぶ方式です。
報酬の計算や請求書の発行などの手続きは、紹介側が行ってくれるため、企業側の労力がかかりません。
また、産業医の交代の際、業者が後任の医師を紹介してくれます。事務的な負担をサポートしてもらうことで、トラブルを避けることができるでしょう。
顧問料については時間単位で算出され、必要なときにだけ依頼するといったことも可能です。そのため企業側のコストを大幅に削減することが可能です。
細かい要望などは、紹介業者を介して行うことになります。医師と企業の方向性にずれが生じている場合も、円滑に解決することができるはずです。

・人材紹介方式
紹介業者に相談し、産業医を紹介してもらった後に企業と医師で契約を結ぶ方式です。
直接契約となるため、給与の支払いは企業から医師へ直接支払うことになります。金融トラブルの恐れはあるものの、企業の方針、戦略に沿った運用が可能です。
応募を開始する前に、細かい要望などを業者に伝えることができます。そのため希望に沿った理想的な医師が見つかる可能性が高いです。契約前のやりとりまではまかせることができますが、人材紹介手数料がかかる場合もあります。
一定の分野に特化した医師を望む場合は、登録人数が多い紹介業者を選ぶのが有効です。

■スポット契約方式
医師と継続的な契約をせず、訪問回数ごとに報酬が発生する方式です。
状況に応じて医師を選出することができ、場合によっては女性医師を希望することも可能です。健康管理に力を入れたい、しかし継続的な契約、専属契約は難しいといった場合に最適な契約方式です。
ストレスの原因も多岐に渡るなか、一定の分野に特化した産業医の需要が高まっています。そのため、従業員の症状をしっかり見極められる医師を選出することが大切です。
スポット契約方式は、臨機応変に対応でき、問題の悪化を未然に防ぐことを可能にします。

■専属産業医 人材紹介方式
嘱託産業医とは違い、企業の勤務時間帯で働くのが専属産業医となります。常駐していることで、いつでも社員の精神面をサポートします。
常時500人以上労働者が従事している場合は、専属の産業医を専任することが義務付けられています。
雇用形態は、主に以下の3つに分かれます。

・契約社員
有期的に契約し、通常1年毎に更新することになります。企業の人事規則に合わないこともあるため、始めは契約社員として迎えるケースが多いです。
契約期間の満了後、更新を望まない場合は後任の医師を探す必要があります。

・正社員
永続的に企業の専属産業医として迎え入れます。契約を更新する必要がなく、後任の産業医を探す手間を省くことができます。
健康保険や厚生年金も会社と折半し、企業の従業員と同じような雇用形態になります。しかし企業の方針に合致した産業医である必要があるため、好んで適用される傾向はあまりありません。

・業務委託
専属の産業医が個人事業主となり、社会保険の適用外となる雇用形態です。個人に依頼する、というかたちとなるため、企業とは雇用関係にありません。
上下関係ではなく、同じ立場となり、お互いの自己責任で業務を依頼します。業務委託契約では、消費税は課税対象となりますが、源泉徴収や交通費などの経費は医師の自己負担となります。


専属産業医との契約は、人材紹介方式が採用されることが多いです。契約までの流れを業者にまかせることができ、希望内容を細かく相談することも可能です。

豊富な人材がそろっている業者であれば、最適な医師を選出することもできます。

産業医の標準報酬

産業医に対して支払われる報酬は、形式により様々です。嘱託産業医であれば、訪問時間に応じた金額が報酬となります。
標準的な報酬としては、週一日勤務の場合でも、年俸で300~400万円ほどが相場となっています。民間病院の医師とほぼ同じ水準となっており、専属の場合であればより高額の報酬になるでしょう。
また医師会に紹介を依頼した場合は、訪問時間に加え、企業の従業員数に応じた委託料が発生します。
人材紹介業者に依頼した場合は、企業側の条件を受けてから募集することが可能です。相場の水準よりも低めの金額で募集することができ、規定に合った人材を見つけやすいです。

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