元気なときに診察することで、その子が健康なときの身体の状態や様子を獣医師が把握しておくことができますので、ごく些細な異変にも気づきやすくなります。
また普段から気軽に通っていただくため、親しみやすい病院づくりをしています。優しく声をかけるなど安心感を持ってもらえるように接し、仲良くなることを心がけています。ご自宅とは異なる環境ですので、その不安を少しでもやわらげ、安心できる存在になれるように努めています。
大切なペットの健康管理のために ペットの健康を守るためには、定期的に健康診断を受診することが大切です。
健康診断の際に体重や体温を測ったり、心臓の音を聴いたりすることで、身体の異変に気づけることがあります。症状が軽い段階で対処できれば、それだけ動物への負担を減らすことにもつながると思います。
一方、身体の異変に気づくのが遅れると、病気が進行してしまい、動物に負担の大きい治療が必要になってしまいます。病気の症状が出てからでは手遅れになってしまっていることもありますので、定期的に診察を受け、小さな異常も見落とさないようにすることが大切です。
健康診断を受ける間隔としては、犬の場合、5歳を過ぎてから7歳までは年に1回ほどのペースで受診すると良いと思います。猫の場合は室内飼いかどうかにもよりますが、少なくとも3年に1回ほどのペースで受けるようにしましょう。
こんな時は要注意です ペットの排便、排尿、食欲については、飼い主さまが常に注意するようにし、異常があったらすぐに受診しましょう。なかでも、嘔吐や下痢には注意が必要です。
嘔吐については、食事内容と関連性がないようなものには気をつける必要があります。特に要注意なのが、食べたあとにすぐ吐く、空腹により吐いたあとすぐにご飯を食べる、食事と食事の合間に吐く、一日に何回も吐く、といった場合です。さらに食欲もなくなってきた場合は、すぐに獣医師にご相談ください。
下痢に関しては、2、3日続くようなときは問題があるのではないかと疑いましょう。軽い下痢であれば1回分食事を抜いてみるという方法もありますが、お腹が減ってしまいかわいそうですし、なかなか難しいと思いますのでやはり早めに診察を受けましょう。また抱いたときに軽くなったように感じたら、特に注意が必要です。
ペットを新しく飼う前に大切なこと 犬や猫にはその種類ごとになりやすい病気があります。例えばダックスフントは椎間板ヘルニア、シーズーやチワワやキャバリアは心臓の病気になりやすく、柴犬にはアトピーが多く見られます。
初めて飼うときは、その種類に多い病気についてあらかじめ調べておくと良いでしょう。血統書を確認して、その子の親や祖父母にどのような病気があったのかを知っておくのも良いと思います。そして飼い始めたら、それらの病気の兆候には特に気をつけながら大切に育てていきましょう。