現在の経営内容等

(1)栽培技術の特長
施設トマト栽培では水耕栽培により作業の省力化、栽培の効率性を重視している。トマトの植え付け株数や栽培体系を見直したことで生まれた施設の空きを有効に利用するために、レタスや発芽にんにくの栽培にも取組みはじめている。トマトの栽培施設内は乾燥しやすいので、通路に散水するなどして湿度には特に注意を払っている。霜地野菜では有機質肥料を投入するなど土作りに力を入れている。マルチを使用しており除草剤は使っていない。また。肥料を多く必要とするインゲン栽培の後にほうれんそうを減肥して栽培する等、肥培管理の面から霜地での年間作付品目も工夫している。

(2)販売の特長
直売所への出荷は少なく、市場出荷を主体としている。霜地野菜は北海道の市場から東京の市場まで広域的に出荷している。

(3)経営組織の特長
ハローワークを活用し、若者から高齢者まで多様な人材を計画的に確保している。日々の管理作業は女性が主体となって行っており、女性の力を生かした経営を行っている点が当法人の大きな特徴である。新たに取り組みを始めたレタスや発芽にんにく栽培では、トマト栽培と比べて軽労働であることから高齢者でも働きやすい場となっている。

(4)労働管理の特長
従業員各々の状況に応じた勤務態勢をとっている。また、食事会等の開催により従業員の親睦を充実させている。一人一人が積極的・主体的に経営に参加できるような雰囲気作りをしている。

(5)経営管理の特長
栽培管理作業は部門担当制にはせず、従業員皆で一斉に同じ作業を行っている。これによりメリハリのある作業ができ、また従業員の技術力の高位平準化が可能となっている。

(6)その他の特長
地域を非常に大切に考えている。地域の方々を雇用し、地域の田畑で農作物を作り、地域の人に農作物を買ってもらうという、地域との多様な関わりのなかで経営を続けている。土作りのための堆肥は地域の畜産農家のものを活用している。また、地元小学校の総合学習でのトマト栽培施設見学を毎年受け入れており、食育にも積極的に貢献している。

これまでの経過

(1)法人化するまでの特長的な歩み
水田農業地帯で高い収益性のある園芸作(トマト)を主体とした農業モデルを作り上げることを目標にして、法人としての責任と人材確保などのメリット追求を目指す会社を立ち上げた。

(2)法人化の動機や法人設立時の特徴的経過、法人化後の変化
出資者3名で平成7年11月法人を設立し、周年トマト栽培が可能な施設の建設を行った。多収穫を目指した、低段密植栽培は結果として多くの労力を要することから、従業員の高齢化傾向という状況の変化に対応し、途中年2作型の中段栽培に移行した。
サラダ需要の拡大をイメージし、現在は、トマト始め同じ圃場でレタスを、露地でインゲン、ゆきな、ほうれんそうの栽培を手がけ園芸専門の法人として経営の確立を図った。

今後に向けて

(1)解決すべき課題と現在検討中(取組中)の対処方策
法人としてのメリットを生かすために組織全体の規模拡大、特に霜地野菜部門の拡大を考えている。霜地野菜部門を独立して設け、さらに農地中間管理事業等も活用しながら作付面積を拡大したいと考えている。

(2)今後に向けての経営戦略
当法人では、従業員が楽しく、長く働ける会社をつくることを目標としている。正社員のほか60歳入社79歳退社のパートさんも仕事の中心で活躍している。シルバー磨いてプラチナに輝く社会づくりの応援団である。

<経営プロフィール>

主な施設・機械の保有
・鉄骨ハウス(12000m²)
・トラクタ3台(25ps、27ps、32ps)
・管理機1台
・播種機(真空播種機・マルチシーダー)
・ライムソワー
・ブロードキャスター

構成員
構成員5名、常時雇用12名、パート8名(季節による)