オーナーからのメッセージ

新たな年度に

オーナーからのメッセージ

 先月はなごり雪が長引いた分、4月に入り、季節の移り変わりをはっきりと感じる気候となりました。今月もこころのリビングへようこそ!

 新年度を迎え、新入学や新社会人等、緊張と期待の入り混じる日々を過ごす方も多くいらっしゃることでしょう。神さまの祝福と恵みをお祈りいたします。

 また、新たな環境に置かれる中で、孤独や壁に向き合うということも、この季節ならではの出来事と言えるかもしれません。

 新鮮な思いで目の前の課題に取り組む中で、それまでの生活の延長では気付かなかった自分の姿や、そこから思わぬ能力が引き出されるということもあり、こうした年度替わりは、新たな成長のために節目の役割を果たしているといえます。

 目前の学びや仕事に心を傾け、集中するためには、先々のことを案ずることなく過ごせる環境が必要でしょう。

 キリストは人々に向かってこう言われます。
「空の鳥を見なさい。種蒔きもせず、刈り入れもせず、倉に納めることもしません。けれども、あなたがたの天の父がこれを養っていてくださるのです。あなたがたは、鳥よりも、もっとすぐれたものではありませんか。」

 また
「野のゆりがどうして育つのか、よくわきまえなさい。働きもせず、紡ぎもしません。きょうあっても、あすは炉に投げ込まれる野の草さえ、神はこれほどに装ってくださるのだから、ましてあなたがたに、よくしてくださらないわけがありましょうか。」

 空の鳥も野のゆりも、当時の人々の日常の中で意にも留まらないような存在だったことでしょう。けれども、神の関心と配慮はそこまでもれなく行き届いていると語られています。

 聖書を開くとき、この世界は神の創造によるものであると記されており、私たち人間は舞台の十分に整った場所で、被造物の頂点として立つ主人公として置かれていることがわかります。

 キリストはこの神を「天の父」と呼び、その思いを私たちが理解することのできる親子の情にたとえ、天の父である神のまなざしが日々私たちに注がれていると説明して

「そういうわけだから、何を食べるか、何を飲むか、何を着るか、などと言って心配するのはやめなさい。こういうものはみな、異邦人が切に求めているものなのです。しかし、あなたがたの天の父は、それがみなあなたがたに必要であることを知っておられます。」

 と語るのです。ここで言う「異邦人」とは、神がこの世界に関わっていることを認めないために、向き合う人生の一切を「自分」で何とかしようとする生き方を示しています。結果として、先々にあるものは当然予測のつかない世界ですから、心配のたねは尽きないということになるのでしょう。

 けれどもこの世界を造られた神が、意味と目的をもってそれぞれの時代に人を生かしていることが理解できたなら、自分もまた、人生において託されたものがあり、それを果たすための能力と機会があることを心に留めて、目前の学びに、仕事に情熱を注いで生きることができるのではないでしょうか。

 それは各々がユニークな存在として、周囲の誰とも比べることのできない、かけがえのない人生を歩んでいることを頷かせてくれます。

 新たな年度、日々生かされ、愛されている存在として自分自身と置かれた状況を見るとき、たとえ未経験から来る思わぬ失敗や、未熟さや欠けがあったとしても、それは託された人生の使命を果たすためのプロセスであり、一里塚だと言えないでしょうか。

 神が造られた世界と私たちへの行き届いた支配を認めてゆくとき、タフな心とゆとりが生まれることを知って、キリストは私たちにこう語られるのです。

「だから、神の国とその義とをまず第一に求めなさい。そうすれば、それに加えて、これらのものはすべて与えられます。だから、あすのための心配は無用です。あすのことはあすが心配します。労苦はその日その日に、十分あります。」 
  聖書                                        

更新日: 2024-04-03