内装工事の流れ

内装工事とは、建物内の工事全般を指します。電気系統、ガスや水道系といった建物の動力のもととなる箇所や、給排気や空調などの空気の調整設備の構想や設置作業も内装工事の対象です。さらに、内装系やインテリア系として室内のデザイン性を高めるための技術作業や、機能的な厨房設備の設置も内装工事で対応します。
・どの様な場所を工事するのか?
・どのような流れで進んで行くのか?
こちらでは上記を紹介いたします。

1.内装工事の対応箇所

内装工事の内容は、電気系統、ガスや水道系、給排気や空調のシステム、内装系、インテリアに関わる部分など、建物の内部に関して多岐に渡ります。内装工事の対応箇所ごとの工事内容や気にかけるべき点を順に紹介します。

【電気系統】
内装工事でいう電気系統の施工とは、自宅やオフィスの使い勝手を良くする目的や、新たなカフェやショップといった店舗を構える際の電気設備の工事を指します。まず、身近な内容としてコンセントの追加や位置の変更の工事が挙げられます。コンセントとは、建物に装備された電気の配線と電化製品をつなぐ設備としての差し込み口のことです。普段の暮らしが効率化されるような便利で機能的な電化製品が続々と登場し、これまで以上に電気を使う場面が多くなりました。日常生活の中でこの辺りにコンセントがあれば使い勝手が良くなるから追加したい、今あるコンセントの位置をもう少し移動できれば家具や電化製品の置き場所とのバランスが取れる、といった希望を持つ人も少なくはないでしょう。

電化製品をいくつも稼働させておくために、ついついたこ足配線を多用してしまっているケースが多いようです。たこ足配線は、正式にはテーブルタップと呼ばれ、ひとつのコンセントにつなぐことで複数の電化製品に電力を供給できる仕組みです。便利ではありますが、つなげられる分だけ使えるのでは、と誤認して使用している人が増えています。通常のコンセントひとつに対する定格容量は15アンペアです。同時に電化製品を使う際にその定格容量を越えていると、火災や事故のリスクがあります。

電気保安協会や電力会社からはたこ足配線を使わないように呼びかけられています。たこ足配線で無理な使い方をしないためにも、コンセントの配置や配線経路を見直す電気系統の内装工事は有用でしょう。コンセントに関わる電気の配線工事については、単に一部だけ配線を追加したり設置の仕方を変更したりするわけではありません。壁の内側の工事となるため、一緒に壁紙の張り替えの工事も必要となります。逆に考えれば、壁のリフォームも含めて、内装の雰囲気も変えられるメリットもあります。

またコンセントと言っても、差し込み口がひと口のタイプや複数のタイプがあります。ほかにも、特殊な機器に対応できる高ワットのタイプやマルチメディアコンセントと呼ばれる通信と電源が一体型のタイプもあり、使いたい電化製品や場面に応じてさまざまなコンセントの種類から選べます。用途に合わせ最適なタイプをプロに相談するのが良いでしょう。電気系統の工事はコンセント以外にも配線そのものやスイッチ、照明など電気に関わる工事全般が対象です。生活動線やインテリア、レイアウトに合わせ電気の供給や照明設備の施工をプロに依頼すれば安心です。


【ガス系】
内装工事で行うガス系の工事の内容には、ガス管の配管ルートの変更や、新築した際の引き込みなどを含むガス管の新たな設置、劣化したガス栓の交換や増設があります。ほかにガス給湯器の設置やプロパンガスから都市ガスへの切り替えもガス系の工事です。ガス設備の交換、修理や新設など、ガスに関わる工事すべてが対象となります。一見DIYを行えそうな栓の交換などでも資格が必要です。個人が勝手に施工することを禁止されているものがあるため注意しましょう。

【水道系】
内装工事における水道系とは、リフォームに伴う水道が関連する設備の見直し、水回りのトラブルに対応する工事、水道や排水管の増設や撤去を行うような水場に関わる工事全般を指します。建物に関する水道工事は大きく分けて2種類で、給水管の引き込み工事と屋内の配管工事があります。給水管の引き込みは屋外の排水管から屋内までの工事のため、厳密に言うと内装工事だけではありませんが、水道を新設する場合には両方の工事が必要です。ほかには、水道の増設として蛇口の数を変更したり、それに合わせて引き込み管のサイズを変えたりする場合があります。水道の場所の変更に伴う施工も水道工事です。

中古住宅や中古の店舗物件では、水回りの設備の老朽化や、モデルが古く使いづらさなどが気になる場合があります。老朽化については、衛生面からもサビの発生などの不安があるため、点検が不可欠です。水回りは日々使用します。そして水は手肌に触れるもので体に関わることからも、内装工事の中ではインテリアやデザイン的な分野よりも先に重点を置くべき部分ともいえるでしょう。

【給排気】
現代では生活スタイルや建築様式が、日常生活における利便性や機能性をより高めるよう変化を続けています。そして住宅は気密化し、ガスや石油を使用する燃焼器具も大容量化が進んでいます。換気というと、換気扇を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし単に、換気扇などの排気口を設置すれば良いわけではありません。給気と排気の空気の流れを作り出す給排気の原理に基づいて、空気の動線を考慮する必要があります。動力の利用や自然の力によって、常時スムーズに室内と屋外の空気が入れ替わる換気設備が理想です。給排気の原理に合う設備を設置しなければ意味がありません。


【空調】
内装工事でいう空調系の工事内容は、空調設備の設置を指します。空調設備と冷暖房設備はエアコンとして混同されがちですが、実は設備レベルが違います。冷暖房設備は室内の温度の調節を目的としたものです。室内に設置するエアコン本体と屋外で作動する室外機に加え、配線や配管の工事をすれば冷暖房設備の施工は終了します。一方、空調とは室内環境をより整える意味合いが含まれています。空調設備は、室内の温度の調節はもちろんのこと、空気を調和させる目的をもっています。室内の気流や湿度、清浄度、室温を適正な状態に調和させます。快適に過ごせる状態に空気を整える設備です。

空調設備には大きく分けて2種類あります。住環境でいう空調は保健用空調と呼ばれ、これは病院や商業施設、オフィスビル、学校なども同様のシステムです。もうひとつは、産業用空調と呼ばれるもので、工場内の機械やコンピューターなどの機能を維持したり、貯蔵庫などの品物の品質管理に最適な状態を保つ目的で設置されます。さらにそこで働く人の労働環境を整える目的もあります。空調設備の施工のプランニングの際には、コスト面と環境面も踏まえつつ、総合的に検討することが大切です。

快適な室内環境を保つ空気を、より効率よく調和させ作り出せる空調システムが理想です。そのためには、やはり建物の構造と空調設備の相互の相性を見極めた上で、コストとバランスのとれた設備の構築ができる優良なプロを探すことがなにより重要です。

【内装】
内装工事全体のなかで内装系の工事とは、表層部である床や壁、天井といった部分の工事を指します。仕上げ工事とも呼ばれ、スケジュールを組む際には内壁の内側に施工が必要な他の内装工事の工程との兼ね合いが大事です。また仕上げ工事という呼び名からもイメージできるように、内装工事の仕上がりは見栄えを大きく左右するとも言えます。施主の意向を組みつつ、建物内の部屋ごとや同室内でも床や壁、天井それぞれの異なる仕上げ材や色合いとのマッチングを全体像としてみなくては成り立ちません。バランスの取れた内装として完成させる創造力と技術力が必要です。

内装系の工事は、天井の仕上げ施工やボード張り、鋼製下地の組立て作業などです。天井の仕上げ施工は、天井に石膏のボードを張るものです。石膏のボードは、吸音性能のあるタイプが近年ではよく使用されています。この施工は現場でボード張りとも呼ばれます。ボード張りの作業としてほかには、壁に下地の上から石膏のボードを設置して仕上げることも指します。耐水性のあるボードや複数のボードを重ねる場合もあります。ボード張りの次の段階であるインテリアに関わる内装工事の仕上がりにも大きく影響します。天井や壁のクロス張りを綺麗に仕上げるためには、ベースとなる石膏のボードの完成度が高いことが求められるため、大変重要な作業です。

鋼製下地の組立ては、壁や天井の下地となる建材を鉄骨材の骨組みに張る作業です。鋼製下地はしっかりとした強度をつくり建物を支えるために大事な部分です。

【インテリア】
インテリアに関する内装工事は、室内のデザインやレイアウト全体のバランスを整えて完成させる作業です。その内容は、主に床の仕上げや天井と壁のクロス張り、塗装仕上げを指します。床の仕上げに使われる建材はよく知られている身近なものではフローリング材、カーペット、クッションフロアや畳などがあります。ほかには特殊なシート、タイル張りなども含まれます。床材を敷きつめていく際には、継ぎ目や隙間が不自然に見えないよう敷き込む技術が必要な繊細な作業です。

床材ではフローリングが清潔に保ちやすい点から比較的人気がありますが、近年ではタイルカーペットも普及し選ぶ人が増えてきています。タイルカーペットは汚れてもその部分だけを交換でき、室内のデザインの幅が広がる色柄のバリエーションの多さもその魅力です。これまでは、住宅の床材としてカーペットを用いる際には、部屋のサイズに合わせてロールカーペットと呼ばれる1枚の大きなカーペットから切り取って敷いていました。ロールカーペットよりも材料の廃棄ロスが少なく、施工性が良いタイルカーペットはエコに対する意識の高い現代らしい選択肢とも言えます。

クロス張りは、壁紙を張ることです。土台である石膏のボードの上から、壁紙にシワがよることのないよう伸ばし張り付けていきます。平面且つ決まった範囲に対してまっすぐであることに注意しながら仕上げる高い技術力が求められます。天井や壁に張る壁紙には、紙クロスや織物クロス、ビニールクロスなどがあります。塗装仕上げは、天井やドア、室内の壁に依頼者の希望の色合いや質感の塗装を施し完成させます。材質に適応する塗料を選び、きれいに仕上げます。見栄えだけでなく耐久性についても考えて最適な塗料を決めなくてはなりません。

これらの作業はインテリアの統一感を出すためにも、色柄や材質の選択が非常に重要です。また、統一感に重きを置かず、敢えて遊び心のあるアート感の強いインテリアに仕上げる際でも、建材との相性を考慮してクロスや塗料を選ぶことが大切です。インテリアにこだわるための内装工事でも、この先長く使っていけるスペースとして室内を完成させることを十分に配慮する必要があります。床や天井、壁や室内の塗装といった作業のほかにもインテリアに関わる工事がいくつかあります。カーテンレールやブラインドの設置、天井と壁のモールディングと呼ばれる作業や照明器具の配置作業です。

窓周りのデザインは好みに合わせ、ブラインドやカーテンレールを決めます。オーダーする際には、業者によってはレールと一緒にカーテンを選んで設置を依頼することもできます。天井と壁、壁と床、その他にも室内で面の接点になる部分に施される装飾がモールディングです。欧米の住宅ではインテリアの一部として昔から一般的に取り入れられてきました。見た目が華やかになり、室内のデザインがグッとランクアップするのでおすすめです。照明器具の配置作業は、実用面を考えてLEDへの切り替えをする場合や、演出効果の高いおしゃれな照明器具を取り付ける作業、照明器具に合わせた配線の施工を指します。

【厨房設備】
内装工事における厨房設備とは、調理場の内装の仕上げや厨房機器の設置作業を指します。厨房というと、業務用の厨房機器の設置をイメージする人が多いでしょう。最近では、業務用厨房設備を扱うメーカーが家庭用にもオーダーメイドで設備工事を請けおうケースも増えており、家庭でもより本格的なプロ仕様のキッチンを求める人が増えていることが見受けられます。厨房設備には、シンクやコンロ、コンロ台、調理台やカウンター設備などが含まれます。

オーダーメイドのキッチンでは、システムキッチンにおける収納部分の取っ手やドアパネルの素材、調理台にあたるワークトップやシンクの材質や色合いにもこだわることができます。システムキッチンや厨房設備として、コンロやオーブンなどの加熱機器、レンジフード、水栓と浄水器をさまざまなタイプから選び設置することも可能です。依頼する業者にもよりますが、ほかには食器洗い機や洗濯乾燥機、冷凍冷蔵庫の設置も厨房設備の内装工事として挙げられます。

2.内装工事の手順

内装工事の手順は、まず依頼先を決め、その後、打ち合わせをしながら細かな点を相談していきます。 内装工事業者からイメージ案と見積もりを受け、契約を結びます。工事の工程に合わせ、着工までに料金の一部などの支払いをします。施工終了時に業者と最終チェックを終えれば工事は完了となります。
こちらでは順を追って説明いたします。

【1.打ち合わせ】
内装工事を依頼する前にまずしっかりと自分の目指す内装や設備、予算について考えます。仕上がりに求めるもの、重点を置きたい部分、内装のデザインや使い勝手に関してどんな形が望ましいのか、依頼する上での方向性をイメージしてみます。内装工事業者はたくさんあるので、評判や施工例なども見ながら、求める形に近い工事がかないそうな業者を探すと良いです。数ある内装工事業者から、内装工事を依頼する先をある程度絞り込み、メールや電話など業者のHPや案内に掲載されている問い合わせ先に連絡を入れてみます。業者との相性もあるので、最初の対応から心象が良いかといった点も気をつけてみると参考になるでしょう。

問い合わせでは、新築なのかリフォームなのか、住宅か店舗かといった点と希望を合わせて伝えます。内装工事業者から連絡が来たら、最初の打ち合わせの日程を決めます。打ち合わせの日取りを決めてから、自分の持つイメージをわかりやすくまとめておくと良いでしょう。具体的な建材や、構想については実際の打ち合わせを通して、プロである業者側からのアドバイスや提案をもとに決めていけば良いので、まずは大まかな理想を考えてみます。打ち合わせ当日には、内装工事業者が要望を聞き取りし、具体的に話を進めるためにイメージのくみ取りにしっかりと時間を割きます。状況に応じて現地調査として、現状の確認や採寸なども行います。

最初の打ち合わせで伝えた希望をベースに、内装工事業者側でも次回の打ち合わせに向けて施工について具体案を練ります。打ち合わせを重ねながら、カタログや見本帳などを使い、これまで扱った施工例なども含めて細かな部分の検討をしていきます。最終的なイメージ図や見積もり作成までに十分に相談しながら決めていくことが大切です。住宅でも開業などの店舗に関わる内装工事でも、依頼者側は思うところをどんどん相談すると良いでしょう。

工事に関しては素人とはいっても、実際に使うために利便性や機能的な部分は追求すべきです。できるかできないかの判断は業者がプロの目で見極めてはくれますが、希望については提案を待つばかりではなく積極的に伝え、工事の構想に参加する気持ちが大切です。また、特に住宅のリフォームや新築の際にはあまり具体的な部分を調べず業者任せにしてしまう人も多いといいます。建物は仕上がって終わりではありません。使っていく内に早い段階でトラブルに見舞われる可能性もあります。

依頼先の内装工事業者が良心的な優良業者であれば良いのですが、金額だけで判断すると施工のレベルが思いのほか低かったり、高いからといっても金額に見合わない悪質な業者に依頼してしまったりと失敗につながります。不安要素を減らすためにも、内装工事について自分でも下調べをすることが肝心です。相場や作業内容、使う建材や塗装のタイプなどについて少しでも知った上で打ち合わせに臨むほうが、話し合いも具体的に進めることができます。さらに内装工事業者が優良であるかどうかも判断しやすいものです。

【2.イメージ図や見積もりの提示】
打ち合わせを重ねながら確認したコンセプトをもとに、内装工事の内容を決めていきます。そして最終的に内装工事業者からイメージ図と見積もりの提示を受けます。予算をオーバーしてしまう場合には、仕様などのデザインや使用する建材や床材、クロス、システムなどを見直し、さらに打ち合わせを進めます。そして、予算内に収まるよう最終案まで話を詰めていきます。予算に合わせ削る部分に関しても、プロの意見を参考にうまくバランスをとり、長く快適に使っていける内装工事を目指すと良いでしょう。

少しでも気になる点があれば、クリアになるまで相談や質問をしていくことが大切です。納得できるまで丁寧に対応してくれる内装工事業者であれば信頼がおけるでしょう。

【3.契約】
打ち合わせから、最終的に提案されたイメージ図と見積もりに納得できた段階で契約となります。契約の際に一括で支払うケースはまれです。施工する内装工事業者にもよりますが、一般的には着工前の契約時と着工時、そして完成時に3分の1ずつ3回に分けて支払う場合と、契約時と完成時に半分ずつの支払いをする場合が多いです。業者によっては、契約時、着工時、中間期、完了時の4回に分けて支払うところもあります。はじめての依頼で、契約段階で一括請求をするような業者は少し不安があるといえます。工事の仕上がりに満足できてから残金の支払いをする契約のほうが安心感があるでしょう。

内装工事費は製品の販売などとは異なり、オーダーメイドに対応した工事代金として提示された金額です。双方の信頼関係に基づくとはいえ、明確な金額を書面でしっかりと交わしながら、内容を理解した上で契約をすることが重要です。

【4.施工】
施工プランを組み、日程に合わせ業者が内装工事に着手します。施主や依頼者は、定期的に作業を見に、現場へ足を運ぶと良いでしょう。また気になる点があれば、業者へその都度気軽に相談することも大事です。内装工事は設備を設置したり、壁の内部の配線や配管などの作業との兼ね合いを考えながら、日程を組み進めていきます。後々になって、ある程度の作業工程が進んでから、実はこの辺りが気がかりだったと申し出ても対応が間に合いません。

【5.完成】
内装工事が全て完成した段階で、業者と依頼者で共に確認をします。設計図通りに仕上がっているか最終チェックを行い、納得のいく内装工事が行われていれば、この段階で工事の完了となります。住宅であれば、建材や塗装の仕上がりなど細かな希望が予定通りに仕上がっているか、しっかりとチェックしましょう。店舗であれば、インテリアの部分の完成度を見つつ、厨房設備や給排気設備、空調設備について今一度使用方法を確認しましょう。また併せて、今後のトラブルなどのフォローについてきちんと確認しておくことがポイントです。

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