ペルシャ絨毯とは

ペルシャ絨毯の生産地である「ペルシャ」は現在のイランを指す古名であり、この地域にかつて存在した国名といえます。現在でもペルシャ絨毯はこの地域で生産されています。

ペルシャ絨毯の素材
ペルシャ絨毯の主な素材や羊毛や綿で、絹はほとんど使われません。羊毛については、コルクウール、マンチェスターウールなど、生産地域によって異なるさまざまな品種のものが使われています。

現代のペルシャ絨毯の市場規模
ペルシャ絨毯の第一の特徴は、手織りで作られることです。これにより一枚ずつの価値は高くなります。またイランにおける生産量も非常に多く、国内で100万を超える人口が絨毯産業に従事し、年間総輸出額は4億ドル以上、世界の絨毯市場の30%以上を占めています。日本にも多くの品が輸入されています。

ペルシャ絨毯とそのデザインの歴史
ペルシャ絨毯の歴史は非常に古く、現存している最古の手織り絨毯は紀元前5世紀ごろに作られたものです。その後も歴史上に様々な記録が見られます。ペルシャは長い歴史の中で様々な王朝による覇権争いが激しい地域でしたが、そんな中でも伝統は途切れることなく、絨毯の生産が続けられてきました。
現在多く目にする模様の形式が確立したのは、16世紀から17世紀のことです。偶像崇拝を禁じるイスラム教の影響により、人物や動物ではなく様々な文様の意匠が凝らされるようになり、これが現在にまで続いています。特によく知られているのは「アルダビール絨毯」で、現在では博物館・美術館に所蔵されている有名な2枚の絨毯の図柄が無数にコピーされ、世界中で人気となっています。

ペルシャ絨毯の産地と工房

ペルシャ絨毯と一口に言っても、地域の中には様々な産地・工房があり、それぞれの個性が人気となっています。代表的な産地としては、クム、エスファハーン、タブリーズ、ナイン、カシャーン、ケルマン、シーラーズなどが挙げられます。工房としてもラジャビアン工房、ババイ工房、ジェッディ工房、ヌーリ工房などをはじめ、いくつもの挙げることができます。
また、イランカーペット公社(ICC)はイラン最大規模の国営工房です。全国に700もの工場を持ち、品質を保ちながら整えられた設備で大規模な生産を行っています。

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