何気ないお話のなかに、治療に繋がるヒントが隠されているケースは多々ありますので、些細な事も気兼ねなくお聞かせいただければと思います。
インフォームドコンセントを徹底し、不透明さの無い診療に努めています 治療の効果を発揮させるには飼い主さまのご協力が必要不可欠です。こちらが提案した方法を信用していただき、普段の暮らしのなかで実践していただけないと高い効果は見込めません。動物の状況や今後の方針はもちろん、血液検査の結果なども1つ1つ丁寧にお伝えし、飼い主さまにしっかりとご理解・ご納得いただいた上で治療を進めていきます。「なぜその検査・治療を行うのか」「どれくらいの期間が必要なのか」など、資料も交えながら分かりやすくご説明しますので、少しでも分からない事や不安に感じる事がありましたら遠慮なくご質問ください。
1頭1頭に合わせたオーダーメイドの量で、粉末のお薬を処方しています 当院では皮膚病のお薬を1頭1頭の体重に合わせてミリグラム単位で綿密に計算し、錠剤ではなく粉薬にして処方しています。これにより、ワンちゃんへの負担を最小限に抑える事ができる他、病状に対してより適切な量を与える事が可能となります。コーンスターチ(トウモロコシデンプン)など錠剤の形にするための余分な成分が少ないため、それらに対してアレルギーを持っている子にも安心です。
また、血液検査だけでなくホルモン検査なども院内で行っており、その日のうちに検査結果を確認する事ができるため、よりその子に適したお薬を処方できるのも当院の特徴の1つです。
初診後はお薬が無くなる前に定期的に通院いただき、経過を見てお薬の量の微調整も行っています。副作用の無いお薬はありません。調子が良くなってきたのに強いお薬を服用し続ける必要はありませんので、減量や種類を変えるなどして、体への負担を極力軽減できるよう努めています。
少ないストレスで服用できる方法もお伝えします お薬は形状だけでなく飲ませ方も重要です。例えばご飯のなかに混ぜて飲ませようとすると味が変わってしまい、食欲が無くなる恐れがあるため基本的にはお勧めしていません。
一口で与えられるようチーズなどに練り込ませて、1日に必要な量を分けるなど、ストレス無くお薬を与えるテクニックがいくつもありますので、そういった点に関しても丁寧にアドバイスいたします。飼い主さまが日中お仕事されている場合も考慮して、服用の時間帯は朝・夕・寝る前に設定しています。
アレルギー持ちのワンちゃんも一度ご相談ください 近年、アレルギー持ちのワンちゃんが増えてきています。食事内容が発症の引き金となるパターンよりも、ノミ・ダニの死骸や糞などを含んだ粉塵によるハウスダストが原因の子が多いようです。ご自宅の粉塵を全て取り除くのは難しい事だと思いますので、当院では抗ヒスタミン剤などの処方に加えて、シャンプーの回数を控えるようご案内しています。通常であればワンちゃんの体を洗っても問題はありませんが、アレルギー持ちの子の場合は体表面の皮膚バリアを崩さないようにする事が重要だからです。ときには治療に年単位必要となる場合があり、皮膚病治療のなかでもより一層根気が必要となりますが、完治が難しくても生活への支障を可能な限り下げて、普通の生涯を送れる程度にまで症状をコントロールする事は不可能ではないと考えています。
痒みが治まったワンちゃんは睡眠も改善され、徐々に活力を戻していくなかで目の輝きも変わってくるように感じます。大切な愛犬のために、一緒に頑張りましょう。