
初期虫歯は、歯医者で治療を受けて治すことが基本です。
初期だったら、自分で治せそうな気がしたんです。どうして自分で治すことが難しいの?
なるほど。そもそも初期虫歯は自分で発見することが難しい場合が多いです。自分で見つけられないものを治すのは、難しいです。だから、できれば歯科医院の定期検診を受けて、初期虫歯の段階で早期発見をして、早めに対処した方が歯を削らずに済みます。
虫歯を悪化させないために、自分でできることってありますか?
まずは丁寧に歯みがきをすることですね。他にもありますので、今回は初期虫歯の治し方だけではなく、ケア方法についても説明しますね。
もくじ
- 初期虫歯を自分で治す方法はあるのか?
- 初期虫歯を歯科医院で治す方法
- 初期虫歯のケア方法
- 初期虫歯を治す場合は歯医者に相談しよう
初期虫歯を自分で治す方法はあるのか?
初期虫歯とは
先生、はじめに初期虫歯について分かりやすく教えてください。
初期虫歯のことを理解していただくために、まずは虫歯について説明しますね。虫歯は、歯垢の中にいる細菌が作り出す酸によって引き起こされます。歯磨きが不十分であったり、糖質が多いものを頻繁に食べたりすると、口の中の細菌が増殖して歯を溶かす酸も増えてしまうわけですね。そのほかにも歯質によっては、虫歯ができやすくなると考えられています。
つまり細菌が出す酸によって歯が溶けてしまうから、穴が空いてしまうわけですね。
メディカルちゃん!その通り!でも初期虫歯の場合は歯に穴があいておらず、痛みも感じない状態なんです。
じゃあ、歯医者さんは初期虫歯をどうやって発見しているんですか?
歯医者は見た目で初期虫歯を発見しているんですよ。通常の歯は透明感がある白色をしていますが、初期虫歯は濁ったり茶色く見えることがあるのです。
いい質問ですね。それは、歯のエナメル質が溶ける「脱灰」という現象が起こっているからです。エナメル質の多くは、リン酸カルシウムという成分でできていますが、口の中が酸性になるとリン酸カルシウムが溶けてしまい、歯の透明感が失われるのですよ。
初期虫歯は、歯の表面にあるエナメル質だけが溶けた状態ということですか?
そうです!ちなみに、初期虫歯であればエナメル質を強くしたり再石灰化と呼ばれる働きを促したりすることで元の歯の状態に戻せる可能性が高いのです。逆に放っておくと、痛みを感じたり、神経にまで細菌が侵入したりして本格的な虫歯へと進行していきます。
なるほどー、だから虫歯になって歯を削らないようにするためにも、定期的に歯科検診を受けたり、少しでも歯に違和感があったら歯医者さんに行ったりした方がいいんですね。
そうなんです。定期検診を受けていれば、虫歯を進行させてしまうリスクを軽減できるのですよ。ちなみに初期虫歯の症状をまとめると、このような感じです。
初期虫歯の症状
- 歯の表面にツヤがない
- 歯が濁っている・茶色い
- 歯と歯茎の境目が白い
- 歯の溝が黒い
- 冷たいものがしみる
- 詰め物の周りが変色している
- 歯の表面が滑らかではなく、ザラついている
歯科検診を定期的に受けることがベストですが、少なくとも違和感がある場合は、早めに歯医者さんに治療してもらってくださいね。次に歯医者さんで虫歯を治す方法について解説します。
初期虫歯を歯科医院で治す方法
歯医者に行くと、まずは検査を受けて虫歯の大きさをチェックします。それから、症状に応じて治療が行われますよ。
虫歯だった場合は歯を削ることもありますが、歯医者さんで受けられる治療は歯を削るだけではありませんよ。ここで虫歯についての検査内容と治療方法について説明しますね。
初期虫歯の検査方法
歯医者さんを訪れたら、先生による視診やレーザー、レントゲンによる検査を受けます。
レーザーとレントゲンの検査ってどんな違いがあるんですか?
レーザーの検査では、虫歯の大きさを測定できます。しかし、これだけでは歯と歯の間にできた虫歯は、診断しにくいという欠点があります。一方で、レントゲン検査では、歯と歯の間にできた虫歯でも進行度を検査できるのです。そのため、レーザー検査とレントゲン検査を併用することもあります。
痛みを伴うことなく検査を受けられますので、安心してください。
初期虫歯の治療方法
初期虫歯を歯医者で治療する場合、主に次の4つのいずれかで行います。
- ブラッシング
- クリーニング(PMTC)
- フッ素塗布
- シーラント
4つもあるんですね。ブラッシングから教えていただいてもいいですか?
まずブラッシングは、歯科衛生士から適切な歯みがきの方法を学べます。不十分な歯磨きによって磨き残しが生じた結果、虫歯になることが多いので、まずはしっかり歯みがきをできるようになることが大切ですね。
クリーニング(PMTC)は、ブラッシングだけでは取り除くことができない細かい汚れをキレイにすることですね。歯医者や歯科衛生士が専用の器具を使って歯を清掃すると、歯の表面が清潔に保たれ、脱灰を防げるのです。その結果、再石灰化が促され初期虫歯を治そうとする力が働くわけですね。
そうなんですよ。歯医者ではメンテナンスも受けられるから、歯科検診を定期的に受けることがおすすめなんです。あとはフッ素塗布を受けると歯の再石灰化を促せるため、虫歯の進行を抑えられます。シーラントは、奥歯の溝にプラスチック製の樹脂を詰め込み、汚れが溜まるのを防ぐ処置ですね。樹脂にはフッ素が含まれるため、虫歯の予防効果も期待できますよ。

初期虫歯のケア方法
最後に初期虫歯のケア方法について教えていただいてもいいですか?
初期虫歯をケアする場合は、次の点に気を付けるといいですよ。
- 間食・糖質を控える
- 丁寧に歯磨きをする
- 歯にフッ素を塗り込む
- キシリトールが配合されているガムを噛む
それぞれについて説明しますね。
間食・糖質を控える
食事の回数や間食が多い場合は、口の中が長い時間、酸性に傾くことになります。その結果、エナメル質の脱灰が起こり、歯が溶けてしまいます。ダラダラと飲食しないようにして、食事以外の間食も減らすようにしましょう。
丁寧に歯磨きをする
歯みがきは食事や間食のたびに行うことをおすすめします。口の中に食べカスがない状態にして、口の中を清潔に保ちましょう。磨き残しがないように、丁寧に歯磨きをしてくださいね。
歯みがきをする際は、次の点を意識するといいですよ。
- 歯ブラシの毛先は歯と歯茎の境目に当てる
- 軽い力で小刻みに動かして磨く1~2本ずつ磨く
- 歯を1~2本ずつ磨く
また歯と歯の間や、歯と歯茎の境目、噛み合わせる面は歯垢が付きやすいため、特に意識して歯磨きをしてくださいね。
歯にフッ素を塗り込む
フッ素が配合されている歯磨き粉を使って、フッ素を歯に塗り込んでください。それと、フッ素が配合されているマウスウォッシュで、歯磨き後にフッ素を歯に定着させるのもおすすめです。
キシリトールが配合されているガムを噛む
キシリトールという成分には、虫歯ができたり、進行したりするのを抑える働きがあるため、虫歯予防の効果がありますよ。またガムを噛むと唾液が分泌されるため、それも虫歯予防に有効なのです。唾液に含まれているカルシウムやミネラルで、歯の再石灰化を促せるんですよ。
じゃあ忙しくて食後に歯磨きができない場合は、せめてキシリトール入りのガムを噛むとよさそうですね。
そうですね。キシリトール入りガムもうまく使いつつ、歯をケアしてください。
初期虫歯を治す場合は歯医者さんに相談しよう
先生、今日はためになる話ありがとうございました。初期虫歯は自分で発見することが難しいから、歯医者さんの定期検診を受けたり、違和感があったら相談したりすることが大切なんですね。
はい、わかっていただけたようで、嬉しいです。自分でケアすることも大切ですが、歯の悩みについては早めに歯医者さんに相談しましょう。早期発見と早期治療で歯を削らずに済み、治療も短期間で済みます。
わかりました!自分でも歯をケアしつつ、歯医者さんへの定期検診も受けてみようっと!
<参考文献・URL>
MSDマニュアルプロフェッショナル版:齲蝕
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/15-歯科疾患/一般的な歯科疾患/齲蝕
公益社団法人日本歯科医師会:むし歯
https://www.jda.or.jp/park/trouble/index02.html
ライオン株式会社:初期虫歯なら修復できる!
https://clinica.lion.co.jp/oralcare/shoki-mushiba.htm
監修者
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菊地由利佳歯科医師
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2013年 日本歯科大学新潟生命歯学部 卒業
新潟大学医歯学総合病院にて研修
都内歯科医院にて勤務