20代前後にかかりやすいといわれる双極性障害ですが、実は単なるうつ病とは違うって知っていましたか?
「自分はうつ病かもしれない」「双極性障害かも?」そう思う前に、気になる症状をまずチェックしてみてはいかがでしょう。

もくじ
双極性障害ってなんだろう?
ただし、双極性障害とうつ病は共通の症状として「抑うつ状態」がみられるため、同じ疾患と捉えがちですがこの二つは違う疾患です。
うつ病は、「単極性うつ病」とも呼ばれており、気分の落ち込み、やる気消失、不眠等のうつ症状のみが出現します。
一方双極性障害は、抑うつ状態と躁状態(特に理由もないのに極端に気分が高まっている状態)の二つの病相を繰り返す脳疾患と考えられています。
抑うつ状態と躁うつ状態が出現する間隔は数ヶ月の場合もあれば数年の場合もあり、個人差があります。
またうつ病よりも、天気や季節等の自然変化に影響されやすいため、自律神経系が関与していると考えられます。
治療を受けることで快方に向かいますが、再発するケースも多い疾患です。
双極性障害のタイプ
●双極Ⅰ型
激しいうつ状態と躁状態が出現する
と、
●双極Ⅱ型
軽い躁的状態とうつ状態が出現する
があります。
双極性障害では、躁状態の期間よりもうつ状態の期間の方が長いケースが多いため、うつ病と診断されてしまう場合があります。
原因は?気をつけたい「6つの特徴」
双極性障害を発症するメカニズムははっきり解明されていませんが、遺伝的体質により、神経伝達物質の機能に変化が生じることが原因ではないかという説があります。
脳内の神経伝達物質の乱れ(情報伝達の乱れ)により、うつ状態と躁状態が繰り返されてしまうのではないかと考えられています。
またストレスが発症のきっかけになるケースもありますが、直接的な原因ではないと考えられています。
双極性障害を発症しやすい人の特徴
・社交的
・周囲への気遣いができる
・真面目
・几帳面
・完璧主義
・生活のリズムが乱れている
等が挙げられます。
あなたも症状をチェックしてみよう
躁状態の症状
・極度に気分が高揚する(理由がないのに)
・活力があふれている
・元気になったような気持ちになる
・自尊心の肥大、誇大(根拠なく自分は偉くなったと勘違いする)
・おしゃべりになる(多弁)
・どんどんアイデアが浮かぶ
・睡眠欲求の減少
・注意力の低下
・焦燥感
・怒りっぽい
・じっとしていられない
・人に声をかける
・家族や周囲の人の気分を悪くするようなひどい言葉を発する
・人の意見を聞かない
・性的奔放
・浪費(買い物やギャンブルに多額の金額を使う)
等が挙げられます。
うつ状態の症状
・気分の落ち込み
・やる気が出ない
・何をしても楽しくない
・眠い、寝てばかりいる
・体が鉛のように重く感じる
・すぐに疲れる
・決断力の欠如
・食欲低下
・涙もろくなる
・暗い表情
・イライラしやすい
・自分を責める
・自分は生きている価値がないと思う
・死にたいと考える

5つの主な治療方法
薬物療法
抑うつ状態時、躁うつ状態時、症状が安定している維持期間時、それぞれにおいて治療法が異なります。
主に使用される薬剤としては、リチウム、バルプロ酸、カルバマゼピン、ラモトリギン 等の気分安定薬が挙げられます。
特にリチウムは、躁うつ症状の改善、予防、突発的な自殺予防等に有効です。
また、非定型抗精神病薬(オランザピン、アリピプラゾール、クエチアピン等)が使用されるケースもあります。
心理社会的治療
双極性障害に必要な心理社会的治療は、カウンセリングではなく「患者さん自身が自分の病気について理解し受け入れて」「自分で病気を調整できるようになる」ことをサポートする心理教育の治療です。
家族療法
家族療法により双極性障害に対する理解を深めてもらうことで、患者さんとご家族が一丸となって病と向き合える体制を築き上げることを目指します。
対人関係・社会リズム療法
対人関係が原因で生じるストレス、病気を発症したことに対するストレス等を軽減させるための対人関係療法と、社会生活のリズムを整えることを目的に行わる治療法です。
磁気刺激療法(TMS)
頭部に磁気を照射し、脳の機能を正常に戻しうつ病を改善する治療法です。
磁気刺激療法により抑うつ状態の緩和が期待できます。
双極性障害は、抑うつ状態と躁うつ状態が入り混じって出現するため、診断が難しい疾患です。
そのため、医師は慎重に診察し治療法を提示する必要があります。
使用する薬剤の選択も非常に難しいですが、磁気刺激療法の場合、抑うつ状態に対する治療が行えるため症状改善に有効と考えられています。
定番の予防方法はありますか?
・規則正しい生活を送る(生活のリズムを整える)
・十分な睡眠時間を確保する
・ストレスを溜め込まない
・何事も完璧を求め過ぎない
・信頼できる人と対話する(気持ちを聞いてもらう)
・起床後日の光を浴びる
・ウォーキング等の軽い運動を習慣化する
<参考文献・URL>
厚生労働省 みんなのメンタルヘルス総合サイト 双極性障害(躁うつ病)
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_bipolar.html
公益社団法人 日本精神神経学会 加藤忠史先生に「双極性障害」を訊く
https://www.jspn.or.jp/modules/forpublic/index.php?content_id=27
監修者

- 精神科医
- 佐賀大学医学部を卒業後、病院・美容クリニックでの勤務経験を経て、2020年にファイヤークリニック開業。美容医学、遺伝子学、栄養学、精神医学など肥満治療に関わる多方面から痩身医学研究と実践をする。精神科医としても臨床に当たっており、西洋医学から東洋医学に渡って世界中から集積した独自の短期集中型医療ダイエットを開発。
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