友達
乾癬の人の話が出て最近、気になっているんだよね。
知ってるようで知らないよね。頭や腰、肘などいろいろなところがかゆくなる症状みたい。
メディカルちゃん
女性医師
メディカルちゃんの言う通りで、乾癬は5種類ぐらいありますよ。 乾癬の種類や原因、症状、検査法、治療法、予防法などについて解説しますね。
友達
よろしくお願いします！
もくじ
乾癬とは？種類も解説
女性医師
乾癬は、皮疹を伴う慢性の皮膚疾患です。まずは、乾癬について簡単に解説したあとに、種類も紹介しますね。
乾癬について
女性医師
乾癬は皮疹を伴う慢性の皮膚疾患で、他の人に感染することはありません。
皮疹とは、発疹のことで皮膚が赤くなったり膨らんだりして、かゆくなることもあるよ。乾癬は皮疹の形の特徴から診断されることもあるらしい。
メディカルちゃん
友達
どんな特徴があるのかな？
皮膚表面に角質が積み重なって、皮膚が分厚くなる点が特徴です。皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)が異常に活性化されて、通常の10倍くらいの速さで皮膚が作られているから分厚くなるといわれています。
女性医師
友達
なぜ、かゆくなるんですか？
白血球やサイトカインが増加するため、かゆくなります。
女性医師
メディカルちゃん
サイトカインは炎症を起こす体内物質。乾癬になると炎症もひどくなるから、かゆくなるんだね。
乾癬の種類
女性医師
乾癬は次の種類に分けられます 。
- 尋常性乾癬
- 乾癬性関節炎
- 滴状乾癬
- 乾癬性紅皮症
- 膿疱性乾癬
乾癬患者の9割以上は尋常性乾癬といわれているね。頭皮や髪の毛の生え際、腰回り、肘、膝などに皮疹が出現するケースが多いよ。
メディカルちゃん
友達
乾癬って関節炎にもなるんだね？
そうですね。乾癬性関節炎と呼ばれますが、皮膚症状に加えて関節の痛み、関節の腫脹、関節の変形などの症状が出現します。
女性医師
女性医師
次の滴状乾癬は、風邪や扁桃炎などの感染症の後に、全身に水滴くらいの大きさの紅斑が出現する状態ですね。
乾癬性紅皮症はどんな状態なのかな？
友達
メディカルちゃん
乾癬の皮膚症状が全身に拡がった状態で、体の9割以上が真っ赤になってしまうよ。体温調整が難しくなるから、倦怠感や発熱を伴うこともあるね。
最後の膿疱性乾癬は、膿を含む真っ赤な小さい発疹が発生するような乾癬です。高熱や関節痛、むくみ、倦怠感などの症状が現れる場合もあります。
女性医師
乾癬の原因
女性医師
乾癬の原因は、不明点が多いです。しかし、遺伝的な要因や免疫系の異常が関係していると言われています。
炎症についてはサイトカインの影響が大きいよ。
メディカルちゃん
女性医師
そうですね。サイトカインには、それ自体が炎症を起こすだけではなく炎症を起こす他のサイトカインの生成を促進する働きもあります。
つまり他のサイトカインも作られてしまうから、どんどん炎症が広がるんだね。他に乾癬になる要因はないのかな？
友達
女性医師
外的もしくは内的な環境要因が考えられますね。
外的な要因としては、次のようなことが考えられるよ。
- 不規則な生活習慣や食事
- ストレス過多
- 感染症
- 原因となる薬剤の常用
- 汚染物質
- アルコール
- 喫煙
- 乾燥
- 日光
- 衣類の刺激
メディカルちゃん
女性医師
以上の外的な環境要因の結果、ホルモンバランスの乱れや免疫機能の変化などが重なって乾癬を発症するケースがあります。
内的な要因にはどんなことが考えられますか？
友達
女性医師
内的要因としては、肥満や妊娠、糖尿病などが考えられます。とくに肥満や糖尿病の場合、脂肪細胞が増加したり大きくなったりして乾癬の原因になりますね。
脂肪細胞は炎症反応を促進する物質を生成するから、乾癬につながると考えられているよ。
メディカルちゃん
乾癬の症状
女性医師
乾癬の主な症状をまとめると次のとおりです。
- 皮疹(特に頭皮、髪の生え際、肘、膝にできる)
- 紅斑(皮膚が赤くなる)
- 肥厚･浸潤(皮膚が盛り上がったようになる)
- 鱗屑(皮膚の表面を覆う銀白色のかさぶた)
- 落屑(鱗屑がポロポロ剥がれ落ちる)
- かゆみ
- 爪の病変
友達
乾癬の検査や治療にはどのような方法がありますか？
乾癬の検査や治療の方法
女性医師
では、乾癬の検査や治療方法について解説しますね。
乾癬の検査方法
女性医師
乾癬の検査方法は次のとおりです。
- 問診
- 視診
- 触診
- 皮膚生検
皮膚生検というのは、米粒大程度の皮膚を切り取り顕微鏡で詳しく検査する方法ですね。
皮膚を切り取る際は、局所麻酔で痛まないような処置が施されるよ。
メディカルちゃん
乾癬の治療法
女性医師
乾癬の治療方法は次のとおりです。
- 外用薬を用いた治療
- 内服薬を用いた治療
- 光線療法
- 分子標的療法
1つずつ見ていきましょう。
外用薬を用いて治療をする場合は、活性型ビタミンD3外用薬やステロイド外用薬(副腎皮質ホルモン剤)などが使用されます。
女性医師
メディカルちゃん
内服薬には次のようなものがあるよ。
- シクロスポリン(免疫抑制剤)
- エトレチナート内服薬(角化異常症治療薬、ビタミンA類似物質)
- アプレミラスト(免疫調整薬)
次の光線療法ってなにかな？
友達
女性医師
光線療法とは、患部に紫外線を照射し過剰な免疫反応を抑制する治療法ですね。次のような治療法がありますよ。
- ナローバンドUVB療法
- PUVA療法
- エキシマライト療法
最後に分子標的療法。これは生物学的製剤を用いた治療で、乾癬が重症の場合に行われるよ。抗TNFアルファ療法や抗IL-12/IL-23療法などの治療法があるね。
メディカルちゃん
女性医師
以上の治療法は組み合わせて行われることもありますよ。患者さんの状態やライフスタイルに合わせて、治療法が選ばれます。
乾癬の予防法
女性医師
乾癬の予防したい場合は、次の点に注意するとよいでしょう。
- 生活習慣の見直し、改善
- 皮膚に刺激を与えない
- 栄養バランスのよい食事を摂る
- ストレスを溜め込まない
- 感染症を予防する
- 日光浴をしたり、乾燥を防いだりする
それぞれについて解説しますね。
生活習慣の見直し、改善
女性医師
乾癬を予防したい場合は、肥満や糖尿病にならないように心がけ、飲酒や喫煙を控えましょう。
肥満や糖尿病、飲酒、喫煙は炎症の原因となるサイトカインを増やす要因だから注意した方がいいね。
メディカルちゃん
皮膚に刺激を与えない
友達
皮膚を刺激しないことも大切なのかな？
はい。掻いて皮膚に刺激を与えると、症状が悪化するので、掻かないことが大切です。また皮疹がないところを引っ掻いてしまうと、そこも乾癬になる恐れがあるから注意が必要ですよ。
女性医師
メディカルちゃん
皮膚を刺激しないためにも次の点にも注意しようね。
- 入浴時にごしごし洗わない
- 温度が高い湯船に入らない
- 締め付けがないゆったりしたタイプの服を着る
- 綿や絹などの皮膚に低刺激の素材でできた服を着用する
栄養バランスのよい食事を摂る
女性医師
乾癬を予防するためには、栄養バランスのとれた食事を食べるようにしましょう。
次のような食事は控えたほうがいいよ。
- 高カロリー食
- 香辛料を多量に使った食事
- 刺激が強い飲食物
- 飲酒
以上は乾癬のかゆみが悪化する恐れがあるから注意しようね。
メディカルちゃん
友達
逆に食べた方がいい食品はあるのかな？
女性医師
DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が豊富に含まれている青魚はおすすめですね。DHAやEPAは、炎症を抑える効果が期待できるのですよ。
友達
腸内環境を整えるといいと聞いたのですが、ヨーグルトなどの乳製品はどうかな？
確かに、乳糖分解酵素を持つ人の場合は腸内環境を整えられるから、慢性炎症を抑制する効果が期待できますね。でも乳糖分解酵素を持たない人の場合は、乳製品が炎症を助長するともいわれています。
女性医師
メディカルちゃん
乳製品については担当のお医者さんに相談した方がよさそうだね。
ストレスを溜め込まない
女性医師
ストレスを溜めないように、自分なりのストレス解消法を身に付けることもおすすめです。精神的、身体的ストレスは乾癬の発症や悪化の原因になるから注意しましょう。
感染症を予防する
女性医師
風邪、扁桃腺炎などの感染症で乾癬が悪化する場合もあります。だから感染症の予防にも努めましょう。
手洗いやうがいをしっかり行って、日頃から免疫力が低下しないように気をつけようね。
メディカルちゃん
日光浴をしたり、乾燥を防いだりする
女性医師
日光に含まれている紫外線には乾癬による炎症を緩和する効果が期待できます。そのため日光浴は乾癬の予防に有効ですよ。
散歩をするなどして適度に日光を浴びるといいね。
メディカルちゃん
女性医師
乾燥は乾癬悪化の大きな要因なので、保湿を心がけてくださいね。
入浴後や外出後は皮膚が乾燥しないように注意しよう！
メディカルちゃん
まとめ
友達
今回は乾癬の原因などもわかってよかった！予防法も教えてもらったね。
女性医師
病院では、乾癬に対するいろいろな治療を受けられるから、お医者さんに相談してみるといいですね。
＜参考文献・URL＞
公益社団法人 日本皮膚科学会 乾癬
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa14/q01.html
公益社団法人三鷹市医師会 「乾癬（かんせん）」
https://www.mitakashi-ishikai.or.jp/for-health-20180617
協和キリン 乾癬について -乾癬の原因-
https://www.kyowakirin.co.jp/kayumi/kansen/factor.html
監修者
-
2021年より ルサンククリニック銀座院 院長 就任
形成外科、美容皮膚科、皮膚科、外科など様々な分野を担当。
患者さんが気楽に相談でき、しっかりと満足いく診療メニューを提案する。学会、大学病院、研究施設などへの積極的なアプローチ発表など常に最善の手を尽くすべく研究を行うことが最大の特長。
女性目線で、きめ細やかなケアと笑顔で診療することを心がける。執筆を通し、様々な経験に基づいた根拠ある情報の提供を行う。
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