卵巣機能不全とは?月経不順や生理不順になる原因を解説

最終更新日:2023/03/23│公開日:2023/03/23

友達
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知り合いが卵巣機能不全らしいけど、これはいったい何だろう?
不妊症や不育症の原因にもなるらしいね。詳しくは先生に聞いてみよう!
メディカルちゃん
メディカルちゃん
男性医師
男性医師
卵巣機能不全は、ホルモンバランスの異常で卵巣機能が低下した状態ですね。メディカルちゃんが言うとおりに不妊症や不育症の原因になります。
知り合いが悩んでいて気になるので、詳しい話をお願いしてもいいですか?
友達
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男性医師
男性医師
わかりました。症状や検査方法、治療法、予防法について解説しますね。
よろしくお願いします!
友達
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もくじ

  1. 卵巣機能不全とは?
  2. 卵巣機能不全の原因
  3. 卵巣機能不全の症状
  4. 卵巣機能不全の検査方法
  5. 卵巣機能不全の治療法
  6. 卵巣機能不全の予防法
  7. まとめ

卵巣機能不全とは?

男性医師
男性医師
卵巣機能不全とは、卵巣から分泌されるホルモンバランスの異常により卵巣機能が低下して正常に作用しなくなることです。
卵巣機能不全に陥ると、月経周期の乱れや排卵障害(無月経等)が発生します。
男性医師
男性医師
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誰にでも起こり得るのでしょうか?
そうですね。若い女性から中高年の女性まで、幅広い年齢層で起こる可能性があります。
男性医師
男性医師
メディカルちゃん
メディカルちゃん
でも、そもそも正常な月経周期とはどれくらいなのだろう?
正常な月経周期の目安は25~38日です。24日以内の周期は頻発月経、39日以上の周期は稀発月経と定義されています。
男性医師
男性医師
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正常な月経周期ではない場合は、卵巣機能不全の可能性があるわけだね。

卵巣機能不全の原因

男性医師
男性医師
卵巣機能不全の原因は次のとおりです。

  • 過度なダイエット
  • 極端な肥満
  • 身体的・精神的ストレス

以上の要因で自律神経が乱れると、ホルモンバランスも崩れやすくなるのです。
男性医師
男性医師
友達
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たとえば、どんなホルモンが卵巣機能不全に 影響しますか?
エストロゲンやプロゲステロンなどの卵巣ホルモンが影響します 。これらのホルモンは、脳の視床下部や下垂体から卵巣へと指示が伝達された結果、分泌されるのです。
男性医師
男性医師
メディカルちゃん
メディカルちゃん
脳の視床下部は自律神経系の中枢。だからストレスの影響で自律神経が乱れると、ホルモンバランスにも悪影響を及ぼすわけだね。
卵巣機能不全による無排卵にも、自律神経の乱れが関係していますよ。ゴナドトロピン放出ホルモンが減少して、卵巣が機能しなくなって排卵されなくなるのです。
男性医師
男性医師
友達
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他にも無排卵に至る原因はありますか?
稀ではありますが、次のような原因も考えられます。

  • 卵巣の形成不全
  • 発育不全
  • 甲状腺や下垂体の疾患
  • 薬剤の副作用
  • がん治療

また多嚢胞性卵巣症候群によって卵巣機能不全を引き起こすと、多くの卵胞が卵巣から排出されず、不妊になることがあります。

男性医師
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卵巣機能不全の症状

友達
友達
卵巣機能不全の症状について教えてください!
次のような症状が考えられますよ。

  • 月経周期の乱れ
  • 無月経、無排卵による不妊
  • 過長月経
  • 性器の発育不良(初潮前に卵巣機能に異常が起きた場合)
  • 不妊症、不育症(妊娠可能年齢で卵巣機能に異常が起きた場合)
  • 不正出血
  • エストロゲン(女性ホルモン)の分泌量が早期に減少する
  • 熱感等、更年期障害のような症状が出現する
  • 黄体機能不全(排卵はあるのに月経周期が乱れて不妊や流産を起こす)

男性医師
男性医師

卵巣機能不全の検査方法

男性医師
男性医師
卵巣機能不全が疑われる場合は次のような検査が実施されます。

  • 問診(月経についての確認等)
  • 血液検査
  • 超音波検査
  • ホルモン値の検査

超音波検査は卵巣機能不全と症状の似た疾患と鑑別するために実施されますよ。

卵巣機能不全の治療法

男性医師
男性医師
卵巣機能不全を治療する場合は、「早急に妊娠を望まない場合」と「妊娠を望む場合」とによって方法が異なります。それぞれの場合について解説しますね。

早急に妊娠を望まない場合

男性医師
男性医師
早急に妊娠を望まない場合は、ホルモン療法や漢方薬を用いた治療が行われます 。
具体的にはどのような治療法ですか ?
友達
友達
男性医師
男性医師
たとえばホルモン療法がありますね。これは、ホルモン負荷検査の結果から不足しているホルモンを薬剤で補充する治療法です。たとえばカウフマン療法やホルムストロム療法と呼ばれる方法では、周期的に女性ホルモンを投与してリズムを整えます。
エストロゲン製剤、プロゲスチン製剤などのホルモン剤を使用しますよ。
男性医師
男性医師
メディカルちゃん
メディカルちゃん
ホルモン療法に抵抗や不安がある場合は、漢方薬が利用されるみたいだよ。

妊娠を望む場合

男性医師
男性医師
妊娠を望む場合は、 月経の再開後に排卵誘発剤などを用いた不妊治療が行われます。
排卵誘発剤を用いた治療のなかには、たとえばクロミフェン療法と呼ばれるものがあります。自然排卵の癖をつけられる可能性がありますが、個人差があるため全員に適用できるとは限りません。
男性医師
男性医師

卵巣機能不全の予防法

男性医師
男性医師
卵巣機能不全には予防法もあるので、心がけてみてくださいね。たとえば、次のような点に注意して過ごすと予防できます。

  • 減量する
  • タバコを吸わない、喫煙者は禁煙する
  • 基礎体温を記録する
  • ストレスを溜め込まない
  • 病院を受診する

肥満の場合は、まずは減量することをおすすめします。また喫煙により卵子の質が低下すると、妊娠しにくくなる可能性があります。妊娠を希望している場合は、禁煙した方がよいでしょう。

他の注意点については、項目にわけて詳しく解説しますね。
男性医師
男性医師

基礎体温を記録する

メディカルちゃん
メディカルちゃん
基礎体温を記録して排卵の有無を推測すると、黄体機能不全の判定に役立つよ。
そうですね。正常な場合は、基礎体温は低温期と高温期がきれいに描かれますが、無排卵の場合は、低温相のみ出現する点が特徴です。高温相が10日以内の場合は、黄体機能不全の可能性があります。
男性医師
男性医師

ストレスを溜め込まない

友達
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ストレスを溜め込まないことも大切ですよね?
はい。卵巣機能不全の原因の多くがストレス過多であるため、ストレスケアは重要ですね。
男性医師
男性医師
メディカルちゃん
メディカルちゃん
自分なりのストレス解消法を実践するといいね。それと十分に睡眠をとって、栄養バランスを考えて食事をとるようにすることも大切だね。

病院を受診する

男性医師
男性医師
病院の受診も卵巣機能不全の予防におすすめです。3ヶ月間月経がない、年に8回程度しか月経がないなどの場合は、病院を受診して検査を受けるとよいでしょう。
定期検査を受けるのも予防につながるね。
友達
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まとめ

男性医師
男性医師
今回は卵巣機能不全の原因や症状、治療法、予防法などについて解説しました。月経の乱れが気になる場合は、まずは病院で検査を受けることをおすすめします。
ストレスや生活習慣の影響もあるから、気を付けたいね。
友達
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メディカルちゃん
メディカルちゃん
予防法についても分かったから、できることから取り組んでいこうね。

<参考文献・URL>

日本経済新聞社 月経周期や量の乱れは卵巣機能低下のサイン、隠れた病気にも注意
https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/14/091100020/040100087

監修者

石野博嗣
石野博嗣産婦人科医
1999年 日本医科大学産婦人科教室入局
日本医科大学付属病院
産婦人科研修医
2001年 国立横須賀病院
(現 横須賀市立うわまち病院)
産婦人科
2002年 東京都保健医療公社
東部地域病院 婦人科
2003年 日本医科大学付属病院
女性診療科・産科 助手代理
2004年 日本医科大学付属第二病院
女性診療科・産科 助手
現在は石野医院の副院長を務める。 専門は漢方(東洋医学)、産婦人科
患者さん一人ひとりに合った薬を作るため、自由にさじ加減ができる煎じ薬を第一と考える。
診療では一人ひとり丁寧に症状の診断を行い、情報の発信を行う。

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